土地を住宅よりも先に購入する場合、住宅ローンは利用できる?

投稿日:2021年10月28日

建売住宅の場合は土地と建物がセットで売られているため、取得後に住宅ローンが実行されます。

しかし、注文住宅の場合は土地と建物を別に買わなくてはならないため、住宅ローンが実行されるタイミングに困惑する方も少なくありません。

実際に、住宅ローンは建物に対する融資のため、土地を先に取得する場合には融資を受けられません。

 

その一方で、金融機関によっては住宅ローンとは別途で土地先行融資やつなぎ融資などの商品を提供しています。

これらを活用すれば後から建物を手に入れる場合であっても、問題なく資金繰り可能です。

今回はそれら建物よりも先に土地を購入する際、住宅ローンの申し込みができるのかどうかを解説します。

 

この記事では専門用語を省いて説明するので、もしこれから夢のマイホームを考えているならぜひご参考になさってください。

 

 

ローン自体は借りられるが…

まず住宅ローンの融資に関してなのですが、これらの商品は原則として土地ではなく建物に対する融資と決められています。

そのため、建物よりも先に土地を取得する場合、原則としては住宅ローンを組めません。

しかし、ほかのローンであれば借りられます。

代表的なものとしては土地先行融資とつなぎ融資があります。

これらがあれば、建物を建てる前であっても融資を受けられます。

 

しかし、当然ながらこれらは住宅ローンとは異なる性質のローンとなるため、返済計画に影響を与える可能性も捨てきれません。

土地先行融資やつなぎ融資を受ければ資金繰りはうまくいくかもしれませんが、その後の経済的負担が大きくなります。

あくまでも借金の特性を持ち合わせていることを念頭に置いて、住宅ローンとは別のローンを考えてみましょう。

 

もちろん、あらかじめ貯金などから土地代を出せるということなら、建物代は住宅ローンにして他の資金繰りは貯金から捻出するというのもおすすめです。

 

 

土地先行融資やつなぎ融資を利用する

住宅ローンが実行されるのは建物が引き渡されたタイミングとなるため、土地を買ったタイミングでは実行されません。

しかし、貯金ができていない方の場合、融資が実行されるタイミングによっては資金繰りが頓挫する可能性があります。

その一方で、土地先行融資や繋ぎ融資もあるので、状況に応じて活用することを考えてみましょう。

 

以下、建物の引き渡し前に利用できる2つのローンについてまとめます。

もちろん、これらは利用しないのならそれに越したことはありません。

ただし、どうしても資金繰りが難しい場合は頼ってみるという選択肢もありです。

 

土地先行融資とは?

土地先行融資とは、土地に関する資料と建物に関する資料を提出することで借りられる融資のことです。

文字通り建物よりも土地を先に購入する際に先行して利用できる融資であり、これらは住宅ローンが実行される前から組めるのが特徴となります。

 

土地先行融資ではマイホームを手に入れる前の土地部分と完成した建物部分が対象となり、それ以外の目的ではあまり利用されません。

主に土地先行融資は先に好みの場所を確保するために借り入れることが多いです。

 

つなぎ融資とは?

つなぎ融資とは、住宅ローンが実行されるまでの間に一時的に借りられる融資のことです。

文字通り土地を購入してから建物が完成する前の間につなぎとして利用できる融資であり、こちらも住宅ローンが実行される前から組めるのが特徴となります。

 

つなぎ融資もマイホームを手に入れる前の土地部分と完成した建物部分が対象となり、こちらもそれ以外の目的ではあまり利用されません。

主につなぎ融資は着工金と中間金と竣工金のために借り入れることが多いです。

 

 

土地先行融資・つなぎ融資のメリット

ここまで土地先行融資とつなぎ融資について大まかな概要を見てきたわけですが、では具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここからはそれぞれが持つメリットについてまとめるため、併せてご確認ください。

 

土地先行融資のメリット

土地先行融資はお気に入りの場所を確保した上で建築に取り掛かれるのが最大のメリットとなります。

日本の土地は限られており、その中から理想の場所を見つけていくというのは非常に大変です。

仮に、理想の場所を見つけたとしても貯金がなければ、みすみす逃してしまうことにもつながるわけです。

また、当然ながらすでに建物がある場所は原則として手に入れられません。

 

しかし、土地先行融資があれば良い場所を見つけた段階で確保できます。

資金繰りさえでききれば契約も難しくないため、土地先行融資があることによってめぼしい場所を確保できるのです。

当然ながら、その後にゆっくりと建物をどうするべきなのか考えても遅くはありません。

むしろ場所だけ確保しておけば、建物をどうするのかゆっくりと決められるため、より夢のマイホームにも近づけやすくなります。

 

つなぎ融資のメリット

繋ぎ融資は建物が完成する前の土地の購入資金に充てられるのが最大のメリットとなります。

家の取得においては建築が終わるまでの間に資金繰りが必要となる場合もあります。

たとえば、着工金や中間金や竣工金に関しては建物が完成する前に支払わなくてはなりません。

逆に、貯金が一切ない場合、支払いできずに工事が始まらないという事態に陥るわけです。

 

しかし、つなぎ融資があれば土地を手に入れて建物が完成するまでの間、資金調達で躓くこともありません。

つなぎ融資があれば資金調達しながら土地代を払い、住宅ローンが実行されてから建物代を払えるわけです。

 

 

融資額が決まるポイント。土地の評価額とは?

土地先行融資もつなぎ融資も、融資額をどうすべきなのかが重要となってきます。

その際、融資額が決まるポイントとして押さえておきたいのが、土地の評価額です。

これらは建物と別途で決まるのが特徴で、いくつかの条件を複合して決まります。

 

以下からは土地の評価額がどのようにして決まるのかを簡単にまとめます。

住宅ローンは建物の評価額が主軸となるものの、そのほかのローンはまた別の指標から産出されるため、事前に考えておく必要があります。

なお、融資額の計算は簡単ではないので、その地域に詳しい専門家に相談することもおすすめです。

 

土地の評価額とは?

土地だけではなく建物なども含め、これらの不動産はそれぞれ評価額というものが設定されています。

わかりやすい例でいうと、大都会のど真ん中にある土地と大自然のど真ん中にある土地とでは、評価額が大きく変わるということです。

建物も豪邸とプレハブ小屋とでは大きく評価額も変わります。

それと同じでそれぞれの物件ごとに評価額が設定されているのです。

 

ただし、これら評価額は主に「公示地価」「基準地価」「路線価」「固定資産税評価額」「過去の取引事例と比較」で決まるため、それぞれについて把握しておく必要があります。

一見すると難しそうですが、ここでは噛み砕いてまとめていくので、ぜひ最後までお付き合いいただけると幸いです。

 

公示地価

公示地価とは、1年に1回公示される土地評価の基準となる数値のことです。

これらは土地計画法によって定められた地域が対象となり、毎年その数値も変わります。

特に、これらの公示地価は不動産鑑定士が精査しながら決めるため、より厳密な数値となります。いわばその土地が持っているステータスを指すもの、それが公示地価といえるでしょう。

 

基準地価

基準地価とは、1年に1回発表される土地評価の基準となる数値のことです。

これらは国土利用計画法施行令によって定められた地域が対象となり、毎年その数値も変わります。

ただし、これらの基準地価は都市計画対象外の地域も対象となるため、より広範囲の地価がわかるようになっています。

こちらも不動産鑑定士が精査しながら決めるため、より厳密な数値となるのが特徴です。

 

路線価

路線価とは、不動産に対する課税の基準となる数値のことです。

これら路線価は相続や贈与などの税金に関する評価基準として活用されるもので、道路に面している地域が対象となります。

その評価額は道路とその周辺の発展具合によっても左右され、都会ほど路線価が高く田舎ほど路線価が低く設定されています。

単に路線価は地域だけではなく道路の重要性なども判断する際に活用できる土地基準となるのが特徴です。

 

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、不動産に対する課税の基準となる数値のことです。

これら固定資産税評価額は文字通り固定資産税などの税金に関する評価基準として活用されるもので、各都道府県の市町村長が決める数値となります。

ちなみに、これら固定資産税評価額は3年に1回見直されるのが特徴で、その都度新たな評価額が設定されます。

 

過去の取引事例と比較

土地は過去の取引事例と比較することによって評価額が決まるのも特徴です。

金融機関の中には過去の取引事例を引き合いに出し、そこから資産としての価値を算出することもあります。

特に、購入予定もしくは売却予定の土地周辺の評価額を基準に決められることが多く、ほかの土地と似通った評価額になることが多いです。

ただし、これらは他の土地評価の基準数値に比べると精度が曖昧なので、あくまでもおまけとして考えておきましょう

 

 

土地についてのローンの注意点

土地だけで借りられるローンには土地先行融資やつなぎ融資があると前述しましたが、これらは注意点もあります。

特に、金利については十分に注意しましょう。

通常の住宅ローンであれば、金利も約0.5%前後に設定されています。

しかし、土地だけでローンを組むとなると数%以上に設定されていることも多いです。

これら金利の高さがネックとなるため、もし借りなくても土地を購入できるのなら、ローンを組まずに支払った方がお得です。

 

あくまでも土地先行融資やつなぎ融資は資金調達が難しい人に向けて提供されている金融機関の商品ということを忘れてはなりません。

金利が高いということは当然ながら返済総額も高くなるため、そこは最小限に抑えて計画していきましょう。

 

特に返済負担率の上限まで住宅ローンを組む場合、他のローンを借り入れることによって返済負担率を超えてしまう可能性もあります。

それらも注意しておかなくてはなりません。

特に、土地先行融資やつなぎ融資は住宅ローンとは別途のローンとして換算されるため、くれぐれも返済負担率には注意しておきましょう。

 

何より無理なく返済できるよう計画していくことが大切です。

 

 

まとめ

土地を先に購入したい場合は住宅ローンではなく、土地先行融資やつなぎ融資を活用できます。

これらは金利が高く設定されているものの、資金繰りの方法としてはメジャーで多くの方が利用しています。

 

ただし、土地先行融資やつなぎ融資は住宅ローンの実行前に活用できるものの、別途で返済義務が発生します。

その点も含めて返済計画を立てていきましょう。

ご閲覧ありがとうございます。
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