しかし、夢を叶えた後も、快適で安心できる住まいを維持していくためには、日々のメンテナンスや構造に対する理解が不可欠です。
今回は、家の構造の中でも意外と知られていない「水切り」について解説していきます。
水切りは、一見目立たない部分ですが、実は家の耐久性や快適性に大きく影響する重要な役割を担っています。
水切りがないことで発生するリスクや、水切りの役割、種類、劣化症状について解説することで、読者が水切りに対する理解を深め、安心して快適な住まいを実現するための知識を得られるようにします。
□水切りとは?
水切りとは、建物の基礎と外壁の間に設置される仕切り板のこと。
雨水が基礎部分に直接当たるのを防ぎ、雨漏りやシロアリの発生を防ぐ役割を担っています。
「水切り」という名前から、水が流れるための溝のように思えるかもしれませんが、実際には、外壁を伝って流れ落ちる雨水を基礎部分から遠ざけるための、いわば「雨よけ」の役割を果たしています。
*水切りの役割
水切りは、雨水が基礎部分に直接当たるのを防ぐことで、以下のリスクを軽減する効果があります。
雨水は、コンクリート製の基礎土台を浸食し、腐食させてしまいます。
水切りがあることで、基礎土台への雨水の直接的な接触を防ぎ、腐食を抑制します。
基礎部分に雨水が溜まると、湿気が発生しやすくなり、シロアリの発生原因となります。
水切りは、基礎部分の湿気を抑えることで、シロアリの発生を抑制します。
雨水が外壁から侵入し、室内に雨漏りが発生するのを防ぎます。
水切りは、外壁と基礎部分の隙間を塞ぐ役割を果たし、雨水の侵入を防ぎます。
*水切りの素材
水切りは、スチール、アルミ、ステンレスなど、様々な素材で作られています。
それぞれの素材には、メリットとデメリットがあります。
しかし、サビが発生しやすいというデメリットがあります。
ただし、スチールに比べて強度が劣る場合があります。
水切りを選ぶ際には、家の構造や予算、耐久性などを考慮して、最適な素材を選ぶことが重要です。
□水切りがない家のリスク
水切りがない家は、雨水が基礎部分に直接当たりやすく、様々なリスクを抱えています。
水切りがない場合、雨水は基礎部分に直接当たり、コンクリートを浸食し、腐食させてしまいます。
基礎土台は家の土台となる重要な部分なので、腐食すると家の構造そのものが弱くなってしまい、最悪の場合、倒壊のリスクも考えられます。
水切りがないと、基礎部分に雨水が溜まりやすく、湿気が発生します。
湿気はシロアリの発生原因となるため、水切りがない家は、シロアリ被害のリスクが高くなります。
シロアリは、家の木材を食い荒らすため、放置すると家が腐ってしまい、住めなくなる可能性もあります。
水切りがないと、外壁から雨水が侵入しやすくなり、雨漏りの原因となります。
雨漏りは、壁紙の剥がれやカビの発生など、住まいの環境を悪化させるだけでなく、建物の構造を傷める可能性もあります。
水切りがない家は、これらのリスクに対処するために、定期的なメンテナンスが必要になります。
□水切りはどんな種類があるの?
水切りは、基礎部分だけでなく、屋根のケラバや谷、雨押え、軒先など、様々な場所に設置されます。
基礎部分に設置される水切りで、最も一般的な種類です。
屋根の側面にあるケラバ部分に設置される水切りです。
ケラバは、屋根の傾斜が変わる部分で、雨水が溜まりやすい場所です。
ケラバ水切りは、雨水が屋根の中やルーフィングに侵入するのを防ぎます。
谷は、屋根材と屋根材のつなぎ目の部分で、雨水をスムーズに集めて排水できるように谷状態になっています。
谷水切りは、雨水が溜まったままにさせず、排水させるために設置された板金のことです。
屋根と外壁の立ち上がり部分に設置される水切りです。
雨押え水切りは、雨水がスムーズに排水できるよう、設置されています。
軒先の下には雨樋が設置されていますが、軒先水切りがあることで、屋根に水がたまらず、雨樋に誘導されていきます。
それぞれの場所に適した種類があるため、家の構造に合わせて適切な水切りを選ぶ必要があります。
□まとめ
水切りは、家の耐久性や快適性に大きく影響する重要な部分です。
水切りがないと、基礎土台の腐食、シロアリの発生、雨漏りなど、様々なリスクが発生します。
水切りは、基礎部分だけでなく、屋根のケラバや谷、雨押え、軒先など、様々な場所に設置されます。
それぞれの場所に適した種類があるため、家の構造に合わせて適切な水切りを選ぶことが重要です。
水切りは、目立たない部分ですが、家の寿命を左右する重要な役割を担っています。
水切りについて理解を深め、適切なメンテナンスを行うことで、安心して快適な住まいを実現できます。