住宅の気密等級とは?選び方のポイントとメリット・デメリット

投稿日:2025年03月04日

近年、住宅の快適性や省エネルギー性能に対する関心が高まっています。

その中で、気密性能は重要な要素として注目されています。

気密性能とは、住宅の隙間がどれくらい少ないかを表す指標であり、高い気密性能は快適な住まいを実現する上で大きな役割を果たします。

今回は、気密等級について、その種類や特徴、メリット・デメリットなどを解説し、最適な気密等級の選び方についてご紹介します。

 

気密等級とは何か?その重要性を解説

 

気密等級の定義と分類

気密等級は、住宅の気密性能を表す指標です。

JIS規格に基づき、A-1からA-4までの4等級に分類されます。

等級が上がるほど気密性能が高く、隙間が少ないことを意味します。

A-1等級は最も気密性が低く、A-4等級は最も気密性が高い等級です。

それぞれの等級は、ドアや窓などの建材の気密性能試験に基づいて決定されます。

試験では、規定の気圧差のもとで、建材の隙間からどれだけの空気が漏れるかを測定し、その結果から等級が判定されます。

気密等級による性能の違い

気密等級によって、住宅の性能に明確な違いが現れます。

A-1等級の住宅は隙間が多く、外気が容易に侵入するため、冷暖房効率が悪く、温度ムラが生じやすい傾向があります。

一方、A-4等級の住宅は隙間が少なく、外気の侵入を最小限に抑えるため、冷暖房効率が高く、室温を安定させることができます。

また、結露やカビの発生リスクも低減できます。

A-2、A-3等級は、A-1とA-4の中間に位置し、気密性能は等級が上がるほど向上します。

気密等級と快適性・省エネの関係

気密等級と快適性、省エネルギー性能には密接な関係があります。

高い気密性能は、室温の安定性につながり、快適な室内環境を実現します。

夏は涼しく、冬は暖かい空間を保ちやすいため、冷暖房の負荷を軽減し、省エネルギー効果も期待できます。

また、気密性が高いことで、騒音や花粉、ほこりの浸入も抑制できます。

さらに、結露の発生リスクを低減することで、建物の耐久性向上や健康被害の予防にも繋がります。

 

気密等級別メリットデメリット

 

ここでは、それぞれの気密等級におけるメリットとデメリットを具体的に解説します。

1:A-1等級の特徴と選び方

A-1等級は、気密性能が最も低い等級です。

メリットとしては、初期費用が比較的安価である点が挙げられます。

しかし、デメリットとして、冷暖房効率が悪く、温度ムラが生じやすく、結露やカビが発生しやすい可能性があります。

そのため、通気性が重視される場所や、気密性がそれほど重要でない場所での採用が適しています。

例えば、倉庫や一部の屋外設備などです。

2:A-2等級の特徴と選び方

A-2等級は、一般的な住宅で多く採用されている等級です。

A-1等級に比べて気密性能は向上しますが、A-3、A-4等級と比べるとまだ低いレベルです。

メリットは、A-1等級と比べて冷暖房効率が向上し、ある程度の快適性を確保できる点です。

デメリットとしては、A-3、A-4等級と比べると省エネルギー効果は低く、結露やカビのリスクも残ります。

予算を抑えつつ、ある程度の気密性能を確保したい場合に適しています。

3:A-3等級の特徴と選び方

A-3等級は、近年、需要が高まっている等級です。

A-2等級に比べて気密性能が向上し、冷暖房効率も高いため、快適性と省エネルギー性能のバランスが良いとされています。

メリットとしては、快適な室内環境を比較的安価に実現できる点です。

デメリットとしては、A-4等級に比べると気密性能は劣り、最高レベルの省エネルギー効果は期待できません。

多くの住宅で十分な性能を発揮し、コストパフォーマンスの面でも優れた選択肢となります。

4:A-4等級の特徴と選び方

A-4等級は、気密性能が最も高い等級です。

メリットとしては、冷暖房効率が非常に高く、室温を安定させることができるため、快適な室内環境を実現できます。

省エネルギー効果も高く、光熱費の削減にも大きく貢献します。

結露やカビの発生リスクも最小限に抑えることができます。

デメリットとしては、初期費用が高くなる傾向がある点が挙げられます。

最高レベルの快適性と省エネルギー性能を求める場合に適した選択肢です。

 

気密等級選びのポイントと注意点

 

気密等級を選ぶ際には、いくつかのポイントと注意点を考慮する必要があります。

1:住宅の用途と気密等級のバランス

住宅の用途によって、適切な気密等級は異なります。

例えば、一般住宅であればA-3等級が多くの場合に適していますが、省エネルギー性能を重視する場合はA-4等級、通気性を重視する場合はA-1またはA-2等級を選択するなど、用途に応じて最適な等級を選ぶことが重要です。

2:予算と気密等級の関係

気密等級が高いほど、初期費用は高くなる傾向があります。

予算と照らし合わせ、最適な気密等級を選択することが重要です。

高気密住宅はランニングコストの削減効果も期待できますが、初期投資額を考慮した上で、長期的なコストパフォーマンスを比較検討する必要があります。

3:地域気候と気密等級の適合性

地域気候も気密等級選びの重要な要素です。

寒冷地では高い気密性能が求められ、温暖地では通気性を考慮する必要があるため、地域特性に合わせた気密等級を選択することが大切です。

 

まとめ

 

今回は、気密等級について、その定義、分類、各等級の特徴、メリット・デメリット、選び方のポイントなどを解説しました。

気密等級は、住宅の快適性や省エネルギー性能に大きく影響するため、適切な等級を選ぶことが重要です。

住宅の用途、予算、地域気候などを考慮し、専門家の意見も参考にしながら、最適な気密等級を選択しましょう。

高い気密性能は快適な住環境を実現するだけでなく、光熱費削減による経済的なメリット、建物の耐久性向上、健康的な生活環境の維持に貢献します。

ただし、高い気密性を得るためには、適切な換気システムの導入と維持管理も不可欠であることを忘れてはいけません。

快適で健康的な住まいづくりに向けて、気密等級について十分に理解し、賢い選択をしましょう。

ご閲覧ありがとうございます。
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