住宅ローン返済でギリギリの生活にならないためのポイント

投稿日:2020年10月29日

「住宅ローンの支払いが家計を圧迫している」と、悩んでいる方は少なくありません。返済が滞ってしまい、住まいを売却したり自己破綻したりする人も、実際にいます。こうした事態にならないためにも、住宅ローンはゆとりをもって契約することが大切です。

今回は、住宅ローンが家計を圧迫する原因や、苦しくなったときの対処法を中心に紹介します。

 

□住宅ローンの返済が辛くなる理由とは?

金融機関で住宅ローンを契約したときは、誰もが「返済できる」と思っていたはずです。しかし、実際に返済がスタートすると、だんだん重荷になってくる方もいらっしゃいます。

なぜ、返済するのが苦しくなってしまうのでしょうか。よくある理由を挙げてみます。

 

*借入可能額の上限額ギリギリで借り入れた

借入可能額とは、金融機関が契約者の年収などから、融資できる最高額を求めたものです。しかし、融資額と返済できる額とは異なります。人それぞれに家族構成やライフプランは違いますから、同じ収入でも家計の収支状況は異なるのです。

契約者に適した将来の資金計画をしっかり立てていれば、ある程度のリスクを抑えられますが、資金計画をおざなりにすると返済が苦しくなる場合があります。

 

*フルローンで購入した

以前の住宅ローンは、自己資金(頭金)のない人は利用できない金融機関もありました。しかし、現在では自己資金がない人でも利用できる「フルローン」が、各金融機関から提供されています。

フルローンを利用すれば借入金額を増やせますから、理想のマイホームを手に入れやすくなります。一方で、フルローンは通常の住宅ローンより金利が高く、トータルの返済額が増えるため、月々の返済が苦しくなるという注意点もあります。

 

*収入やボーナスが減った

病気やケガ、転職などで収入が減ったり、不況のあおりを受けてボーナスが減ったりしたことで、住宅ローンの返済が辛くなったという話も、よく聞かれます。

特にボーナス払いを利用している人は、ボーナスが減れば毎月の給料から補填しなければなりませんから、家計を苦しめることにつながりやすいのです。

 

*予定外に家族が増えた

家族が増えることはおめでたいことですが、食費や生活費も増えますし、成長すれば教育費もかかってきます。なかでも大きな割合を占めるのが、教育費です。

文部科学省の調査報告によると、小学校6年間にかかる教育費は約193万円、中学校3年間は約146万円、高校3年間で約137万円という結果が出ています(文部科学省「平成30年子供の学習費調査」より)。なお、この額はすべて公立に通った場合の一人あたりの教育費ですから、私立の場合はもっと必要です。また子どもが増えれば、単純に2倍、3倍の費用がかかります。

さらに、大学に進学すれば教育費がかかりますし、これ以外にも生活費などの養育費も必要です。

 

□返済が辛い状況が続くとどうなる?

収入が増えれば、住宅ローンの返済負担を抑えられるでしょう。しかし、そう簡単に収入を増やせるわけではありません。「住宅ローンを返済すると生活ができなくなる」という状況に陥ると、滞納が続くようになってきます。

もし住宅ローンの滞納が続くと、どのような事態になるのでしょうか。考えられることを、2つ紹介します。

 

*ブラックリストに登録される

住宅ローンに限らず、他のローンや税金、保険料などの延滞・滞納が続くと、金融機関は信用情報機関に報告することになっています。その報告リストが、いわゆる「ブラックリスト(個人信用情報)」です。

これに登録されると、住宅ローンはもちろん、自動車ローンやカードローンなどの利用ができなくなる可能性があります。新たな融資が受けられないことで、さらに生活がひっ迫する方も出てくるでしょう。

ちなみに、住宅ローンの審査でも、金融機関はブラックリストに掲載されていないかチェックしています。

 

*金融機関が物件を差し押さえる可能性もある

ブラックリストへの登録よりも怖いのが、金融機関による「物件の差し押さえ」です。

住宅ローンを契約する際には家や土地などの物件に抵当権を設定しますが、これは万が一、返済ができなくなった場合に、貸し手である金融機関が家を差し押さえて競売にかけることできる、という意味でもあります。

差し押さえられると、家族は家から追い出され、別の住まいを探さなければなりません。もちろん、それにかかる引越し費用などは自己負担です。

なお競売の評価額は、不動産市場での売却額よりも安いのが通例です。場合によっては、住宅ローンの残債を競売額だけでは完済できないこともあります。そのときは、差額を一括で返済しなければなりません。

 

□ローンの返済がきつくなったらまずやること

このような最悪の事態を避けるためには、できるだけ早く対策を立て、実行に移すことが大切です。具体的な対策について以下で紹介しますが、今は滞納していなくても、住宅ローンの返済に苦しくなったら、すぐに実践しましょう。

 

*家計を見直す

家計の見直しは誰にでもできることですから、すぐに実践できるでしょう。

家計には、食費や生活費などの「変動費」と、保険やローンなどの「固定費」の大きく2つに分けられますが、見直す際には「固定費」の方に注目するのがポイントです。変動費を削ると、ダイエットと同じでストレスがたまり、いつかリバウンドする(貯金を使い果たす)おそれがあります。

固定費の代表例といえば、保険です。住宅ローンを利用されている方であれば、「団体信用生命保険(団信)」に加入しているでしょう。これは、加入者が亡くなるなど支払いが困難になった際に、保険会社が代わりに住宅ローンを支払ってくれるというもの。つまり、生命保険の代わりにもなるのです。生命保険に加入されている方は、解約するか、死亡時の補償金を減らすといった更新をすることで、保険料を削減できます。

またマイカーをお持ちの方なら、普通車から軽自動車に変えるだけでも、自動車税や車検、保険、ガソリン代など、さまざまな経費を抑えられ、家計の見直しに貢献します。

 

*融資先の金融機関に相談する

「これ以上家計を切り詰められない」という方は、住宅ローンの支払い額が変更できないか、融資先の金融機関に相談してみましょう。返済期間を延ばしたり、一定期間の返済額を軽減したりと、支払い額を減らせる方法もあります。

一部の金融機関では、返済猶予にも対応しています。これは、一定期間の返済額を金利分のみにするという手法です。一時的な処置ですが、金利分だけであれば返済額を大きく減らせるでしょう。何はともあれ、困ったときは金融機関に相談することが大切です。

 

*他行の低金利ローンに借り換える

金融機関に相談すると、自行の別のローン商品や他行のローンを勧められることもあるでしょう。住宅ローンの金利は契約時期によって微妙に異なり、今の方が低い金利になっていることもあります。

また、低金利がウリのネット銀行も多くなっていますから、借り換えることで負担を軽減できるかもしれません。

借り換える際の注意点として、手数料が必要なことが挙げられます。大手銀行だと10~20万円くらい、ネット銀行だと借入額の2%くらいを手数料としているところが多いようです。それでも、金利が下がれば月々の返済額を抑えられますから、比較する価値はあるでしょう。

なお、借り換える際にも審査があります。通常の住宅ローンよりも審査が厳しいのが通例ですから、注意しましょう。

 

*賃貸にして家賃収入を得る

車がないのにガレージのある家であれば、「バイクガレージ」や「トランクルーム」のように収益の出る事業を始めるのも一手です。また、家全体を一時的に借家にする方法もあります。こうして事業で得られる家賃収益を、住宅ローンの返済に充てるという手法も考えられます。

ただし、借家にする場合、その間は家族が暮らすための別の家が必要です。実家など費用のかからない住まいがあれば、検討する価値はあるでしょう。

 

□「住み替え」という選択肢もある

「対策を試したものの、住宅ローンの返済負担が変わらない」という場合は、売却を検討するのも一手です。愛着のある家を手放すのは辛いことですが、別の家に住み替えて返済負担を軽くしたほうが、生活にゆとりが生まれるかもしれません。住み替える物件によっては、固定資産税などの税金も抑えられます。

売却する際の注意点は、住宅ローンの残債を完済できる金額で売ること。売却するには抵当権を抹消する必要がありますが、それを実行するには住宅ローンの完済が条件になります。売却額より残債の方が多いときは、差額を現金で一括支払いしなければなりませんので、注意しましょう。

 

*任意売却について

住宅ローンが残っていても、金融機関や連帯保証人(保証会社)が同意すれば売却できることがあります。それが、任意売却です。売却額は不動産市場の評価よりも下がることもありますが、競売と比べれば高く売れることが多いです。

なお、任意売却は交渉期間が長引くなど売却までに時間を要すこともあります。また、競売を逃れるための最終手段ともいえますので、できるだけ避けたい方法でもあります。

 

*信頼できる不動産会社選びが大切

もし、売却を検討するのであれば、不動産会社に相談することから始めましょう。

その際、売却の実績が豊富で適正な査定額を提示してくれるといった、信頼できる会社を選ぶことがポイントです。査定額は業者によって異なりますから、複数の会社に依頼して選ぶと良いでしょう。

また、査定額で必ずしも売れるとは限りません。値下げをするのも一手ですが、経験豊富な会社であれば売値を下げないためのアイデアを提案してくれるというメリットもあります。

 

□まとめ

住宅ローンの返済に苦しくなったら、できるだけスピーディーに行動することが大切です。「まだ滞納していないから大丈夫」と現状維持を続けると、いつまでも負担から逃れられませんし、タイミングが遅くなるほど打てる対策も限られてきます。

返済が滞る前に、家計を見直すなり、それでも苦しい場合は融資先の金融機関に相談するなり行動して、一日でも早く現状から逃れられるようにすることが大切です。

 

 

ご閲覧ありがとうございます。
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