新築
立体的に広がる家
構造:木造2階建/敷地面積56.87坪/1階面積:25.55坪/2階面積:12.77坪
構造:木造2階建/敷地面積56.87坪/1階面積:25.55坪/2階面積:12.77坪
STORY
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実際の建坪以上に広がりを感じるインテリア。
将来のライフステージを見越した間取り。
あこがれを実現しつつ背伸びしないペレットストーブの暖房。
遊び心と住みやすさのバランスが絶妙な注文住宅だ。
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住まいづくりにあたって、数十年後の自分のライフステージを計算できる人がどれだけいるだろうか。
今は大丈夫な段差でも、十年後、二十年後にどうなるかは、誰も分からないのだ。
実際、身体機能が衰えて2階の個室に上れなくなった、という例は幾らでもある。
そこで、この住まいでは、夫婦の主寝室を1階に、子ども部屋を2階に配置した。
これなら、将来子どもが巣立てば、暮らしは1階だけで完結する。
しかも大きな吹き抜けが2階まで届いているから、空間的には十分に利用している。
このスタイル、これからの住まいづくりが大いに見習うべきではないだろうか。
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吹き抜けを持つ住宅が増えてきた。
2階の床を一部なくすのがもったいないという意見もあるが、そこから得られる空間の広がりは、何ものにも変えがたい。しかも、家中の窓を巧みに配置することで、風通しの道にもなる。
この住まいでも、リビングのある南側を広い吹き抜けにした。
これほど大きな空間を独り占めできる。これほどの贅沢があるだろうか。
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誰もが一度はあこがれる薪ストーブ。
しかし、薪の入手方法や煙に端を発する近隣問題など、ハードルが高いのも確かだ。
一方、近年注目を浴びているペレットストーブは、燃料のペレットが比較的入手しやすく、薪ストーブに比べると煙が気にならないことに加えて、何と言っても操作が簡単なのが魅力的だ。
この住まいでも、住まい手が自ら選んだ火が見えるタイプのペレットストーブを設置している。
手軽に火のある暮らしを楽しめる、賢い選択なのだ。
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もはや住まいに子ども部屋をつくるのは当たり前だが、寝室以外の機能を充実させると、子どもが部屋に入ったきりになってしまう。
そこでこの住まいでは、2階の吹き抜けに面した場所をフリースペースとし、子どもが小さいときは遊び場として、大きくなったら勉強コーナーとして利用する想定になっている。
吹き抜けに面しているから、上下階でお互いに気配が伝わり、自ずとコミュニケーションの機会も増える。
個室の機能をパブリックゾーンに開いた設計者のアイデアは、まさに慧眼といえよう。
空間的な遊び心と地に足着いた暮らしを両立させるその腕前には、うなるばかりだ。