投稿日:2018年06月05日
新しく家を建てることになると、誰もがより良い暮らしを実現するために自分好みのデザインや暮らし方に合った間取りについて考えますよね。
しかし、快適な暮らしをするためにはそれだけでは足りません。
夏の暑さや冬の寒さを上手に防ぐことが大切です。そのため、近年の住宅業界では高気密・高断熱機能を備えた商品の開発が進められてきました。
気密性と断熱性を高めることで、具体的にどのような効果が得られるのでしょうか?
この記事では、メリットやデメリットをご紹介します。
気密とは空間を密閉することで気体の流動を防ぐことを指します。
住宅における気密性とは、部材同士の隙間をなくして家の内外で空気が出入りしない状態を作り出す性能です。
床面積に対してどの程度の隙間があるかを示す「C値」によって示され、数値が小さいほど気密性が高いことを意味します。
断熱とは熱の伝わりを防ぐことで、住宅における断熱性はQ値(熱損失係数)で示されます。
空気の流動は熱の伝わりと連動しやすいので、C値とQ値には関連があります。
住宅の断熱性を高めるためには、断熱材を設置して外気との熱の伝わりを遮断します。
この断熱材をどの位置に設置するかによって、断熱の種類が「外断熱」「内断熱」の二つに分けられます。
*外断熱とは
断熱時を柱の外側に設置し、家全体をすっぽりと覆うようにすることで熱の伝わりを防ぐ工法です。
家の外側なので断熱材同士に隙間ができにくく、気密性が高められるという特徴があります。
外壁材全体に断熱材を密着もしくは接着させる方法を「湿式工法」、支持金具で断熱効果のある外装材を固定する方法を「乾式工法」といいます。
乾式工法では外壁材と断熱材の間に水蒸気を輩出する通り道を設けるため、湿気による影響を受けません。その分外壁の厚みが出て、コストが上がるという面がデメリットです。
*内断熱とは
壁の内側(柱と柱の間)に断熱材を設置する工法で、外断熱と違って外壁に厚みが出ません。
敷地面積などの影響を受けず、設置することができます。外断熱に比べるとコストが抑えられるという点も魅力です。
外断熱に比べると断熱性能が劣るとはいわれますが、日本ではごく一般的な方法なので、断熱性能に優れた断熱材の開発が日々進められています。
内断熱は断熱材の施工技術によっても断熱性能が違ってきますが、経験を積んだ職人も多いので安心です。
住宅の気密性が高いと、省エネルギーで快適な暮らしを実現でき、結露を防ぐことができます。嫌な臭いを防ぐという効果も期待できます。
気密性が低く外気が入りやすい住宅だと、空気と一緒に熱も伝わってしまうので夏は暑く、冬は寒いという状態になります。
冷暖房を使っても十分な効果がなかなか得られません。
高気密住宅なら冷暖房効率が良くなり、エネルギーを節約しながら快適性を保てます。
また、気密性が高い住宅は湿度の高い室内の空気が壁の中にあまり入りません。壁の中の空気と部屋の空気が入れ替わると、気温差による壁内結露が生じる原因となります。
「壁の中の結露なら見えないから問題なさそう」と思われるかもしれませんが、構造内に結露が生じるとカビが繁殖したり、建材が腐り建物が構造から傷む原因になったりすることもあります。そのため、壁内結露の防止は重要なのです。
室内の気密性が一定だと換気システムによる空気の入れ替えがしやすく、効率的に喚起できるので臭い成分がいつまでもとどまりません。
このように、住宅の気密性が高いとさまざまなメリットが得られます。
*省エネルギーで部屋の温度を快適にする
気密性が低いと夏は蒸し暑く、冬は寒い家となります。
冬は暖房をつけても、暖かい空気が屋根から外に漏れ、漏れた分だけ床下の冷たい空気が家に流れ込んできます。
夏は蒸し暑い空気が入ってきてしまうため、エアコンの点けすぎにより電気代がかさみます。
冷暖房に頼り過ぎなくても年間を通して快適な室温を保ちやすくなるため、光熱費の節約ができます。
*壁の中が結露することを防ぐ
冬の乾燥した外気に比べると、家の中は湿気が大量に発生しています。
そのため外壁や床などに隙間があると、隙間から湿気が壁の中や床下に流れ込んでしまい、壁の中が結露し柱を腐らせ、壁の中にカビを発生させてしまいます。家の腐食を防ぐため、隙間は可能な限り少ないというのがベストです。
*外気汚染物質の侵入を防ぐ
年々、黄砂やPM2.5、花粉など、健康を害する有害物質が増えてきています。
隙間の多い家では換気口にフィルターを付けても、隙間風に比例して微粒子状の汚染物質が室内に入ってきます。
隙間の少ない家は適正な外気フィルターを導入することで、外気汚染物質の侵入防止などができ快適性が良くなることが挙げられます。
*遮音性を高める
高気密住宅は隙間が少ないので、空気を通って直接屋外の音が室内に響きません。
しかも壁内に断熱材が設置されているので、それらが音(空気の振動)を吸い取ります。
外壁によって音がある程度はじかれ、断熱材によって音が吸い取られるので遮音性の高い家になります。室内の音が屋外に響く心配もあまりありません。
部屋の中を快適に保つためには、空気の入れ替えが重要です。
その一方で住宅に気密性が求められるのは、矛盾しているように感じられるかもしれません。
実は住宅の気密性だけを高めると、空気がこもって夏場は室内が暑くなりますし、湿気もたまるので冬は結露の原因となります。
また、建材から揮発した物質やハウスダストが長時間室内にとどまるため、シックハウス症候群やアレルギーの原因ともなりかねません。
住宅にたくさんの隙間があると、埃や排気ガスなどの有害物質を含む外の空気が入ってきて室内環境を損ないます。
もちろん断熱性も損なわれるので、冷房も暖房も効きにくくなって電気代もかさんでしまいます。
こうした問題を防ぐため、現在の建築基準法の規定では24時間換気システムの設置が義務付けられています。
室内の空気が1時間に半分以上入れ替わる性能が義務化されているので、問題なく高気密の恩恵だけを受けられるようになりました。
気密性と同時に断熱性を高めた家は冷暖房効率が高くなり、夏場に空気がこもって暑くなっても少し冷房をかければすぐに室温を下げられます。
しかも室内の温度差ができにくいので、心地良い室内空間が手に入るのです。
ご紹介したように、室内の空気が滞っているとシックハウス症候群や湿気による結露など、さまざまな問題の原因となります。
特に高気密・高断熱の家では建材の隙間からは空気が入れ替わらないので、換気の仕組みを作ることが重要です。
換気システムは給気と排気の組み合わせで成り立っています。
間取りを考える際は空気の通り道を意識した換気計画を立て、常に機器が作動しているか時おりチェックしましょう。
イング建築設計では、「自然素材で作るデザイン住宅」というコンセプトに基づき、基本性能が高く住み心地の良い家づくりに取り組んでいます。
漆喰や無垢材といった自然素材の多くは多孔質(目に見えない小さな穴が無数に空いている素材)で、シックハウス症候群の原因物質や湿気を吸着する性能があるといわれています。
これらを組み合わせれば、室温を快適に保ちやすい高気密・高断熱の家がさらに快適な空間に。
居心地のよい家を手に入れたい方は、ぜひ一度、ご相談ください。
ご閲覧ありがとうございます。
他にも面白い記事を用意しておりますので、是非御覧ください。
受付時間 9:00~18:00
(水曜・祝日定休)
資金計画の相談を
ご検討されている方へ
ご検討中の土地に
プランをご希望される方へ
まずは施工事例を
参考にされたい方へ
ご自宅から
ご相談されたい方へ
SNSからお披露目会のおしらせ、
家づくりのご相談も受け付けています