親族からの贈与を非課税にできる!住宅取得等資金贈与の特例とは

投稿日:2020年05月29日

「親や祖父母から、資金を援助してもらって新居を購入したい」
「しかし、たとえ親族でも贈与を受けると贈与税がかかると聞いたので不安」

といった悩みをお持ちの方は、最大3,000万円まで非課税で贈与を受けられる、「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」を利用しましょう。
ただし、税の優遇措置を活用するためには、制度の知識が必要不可欠です。
今回は、贈与税を大幅に節税できる、お得な「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」について解説します。

 

 

□「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」とは

 

*自分の両親や祖父母からの援助を最大3,000万円非課税にできる制度

 

「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」とは、親または祖父母から住宅購入資金を援助してもらった場合、最大3,000万円の控除を受けられる贈与税の優遇措置です。

援助を受けるタイミングや、援助を受けて購入する物件の仕様にもよりますが、最大3,000万円までの贈与を非課税にできます。

 

*贈与税の非課税特例を利用するための条件一覧

 

贈与税の非課税特例を利用するための条件は、以下の通りです。

・自分の親または祖父母から援助を受けた(養子縁組も可)
・住宅資金を贈与してもらった年の1月1日時点で成人している
・贈与を受けた年の所得(売上や収入から経費・控除を引いたもの)が2,000万円以下
・2009年~2014年までの間に贈与税の非課税特例を利用したことがない
・自身や配偶者の親類に工事を頼んだり、親類縁者から家を購入したりしていない
・贈与を受けたら翌年の3月15日までに新居を購入する
・贈与を受けた翌年の3月15日までに新居へ引っ越す
・贈与を受ける人が日本に住所を持っている

一部例外もありますが、「贈与してもらったお金で新居の家具・家電を購入した」「住むための家ではなく賃貸物件を購入した」等のケースでは特例を利用できないので、ぜひ覚えておいてください。

 

□住宅購入時に贈与税がかかる場合の計算方法

 

贈与税の計算式は、

(一年間に受け取った贈与の総額-基礎控除110万円)×贈与税率-税率ごとの控除額

です。

たとえば、省エネ等住宅の基準をクリアしていない新居を2,500万円で購入する際、全額を親に援助してもらうと、

(2,500万円-110万円)×45%-265万円=810万5,000円

を納めることになります。

しかし、住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例を使えば、2,500万円控除できるため、贈与税は0円です。

 

□「住宅取得等資金贈与の非課税の特例」の注意点

 

*非課税でも確定申告が必要

 

住宅取得等資金贈与の非課税の特例を使う場合、必ず確定申告をする必要があります。
確定申告とは、「年間の収入・所得・経費・控除」を自分で計算し、納税額を国に伝える手続きです。
確定申告をしないと、国側では「単に手続きを忘れている」のか、それとも「税の特例を使って非課税にしている」のかがわかりません。
特例を正しく使うために必要な手続きなのです。

 

*消費税率や住宅購入日によって非課税額が変わる

 

住宅取得等資金贈与の非課税の特例は、新居を購入するタイミングや、住宅の仕様で非課税にできる額が変わります。

 

◯家屋に対する消費税率が8%の場合

 

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
~平成27年12月31日 1,500万円 1,000万円
平成28年1月1日~令和2年3月31日 1,200万円 700万円
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1,000万円 500万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日 800万円 300万円

 

◯家屋に対する消費税率が10%の場合

 

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成28年1月1日~令和2年3月31日 3,000万円 2,500万円
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1,500万円 1,000万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日 1,200万円 700万円

 

たとえば、2020年4月1日から2021年3月31日までの1年間に贈与を受けて家を買うと、
・省エネ等住宅:3,000万円
・その他の住宅:2,500万円
の控除を受けることが可能です。

しかし、2021年4月1日から2022年3月31日までの期間は、
・省エネ等住宅:1,500万円
・その他の住宅:1,000万円

さらにその翌年は、
・省エネ等住宅:1,200万円
・その他の住宅:700万円

と控除額が下がっていきます。

 

*節税効果の大きい「小規模宅地等の特例」と併用できない

住宅取得等資金贈与の非課税の特例は、小規模宅地等の特例と併用することができません。
「小規模宅地等の特例」とは、不動産の相続時に、不動産の価値を最大8割引にできる特例のこと。

どちらの制度がお得なのかは状況によるものの、一方の制度を使うともう一方の制度を使えなくなる点は押さえておきましょう。

 

□非課税限度額以上に贈与を受けたいときはどうすれば良い?

 

*基礎控除の範囲内で毎年計画的に贈与してもらう

毎年110万円以内の贈与を受ければ、10年で1,100万円、20年で2,200万円、30年で3,300万円の贈与を非課税で受けられます。

ただし、時間がかかるので、できれば基礎控除内の生前贈与を活用しつつ、贈与税の非課税特例を利用すると良いでしょう。

 

*親との共有名義で新居を購入する

新居の購入資金を一部親や祖父母に出してもらい、共有名義の家を購入すれば、実質的に3,000万円以上の贈与を受けることも可能です。

基本的に同居が前提となりますが、親や祖父母が亡くなった後に持ち分を相続すれば、贈与税の特例以上の節税となります。

 

□まとめ

 

今回は、親族からの贈与を最大3,000万円まで非課税にできる「贈与の特例」について解説しました。
贈与や相続の特例を使いこなせば、出費を抑えて賢く新居を購入可能です。
ただし、税の制度は複雑なので、ある程度、制度や使い方に関する理解も必要になってきます。
お得な贈与の特例について興味がある場合は、ぜひ一度、当社にご相談ください。

 

 

2020年5月29日 投稿|     
ページトップへ