投稿日:2020年09月28日
注文住宅を建てるとき、プランニングや予算などを気にされる人は多いものの、保証について重視される方は意外と少ないようです。
実際にその家に住み始めてから何らかのトラブルが生じた場合、しっかりした保証がなければ、修繕費用はすべて自己負担になってしまう可能性があります。こうした事態を防ぐうえでも、建築会社に、どんな保証があるのか、保証期間はいつまでかといった内容を契約前に確認しておくことが大切です。
今回は、注文住宅に付けられる保証の種類や内容について、詳しく見ていきましょう。
注文住宅の保証には、保証期間は長いけれど10年目以降は有償になるものや、保証期間は短いけれどその期間は無料というものなど、実にさまざまな種類があります。
また、保証内容も具体的に何がどこまで保証されるのかも種類によって異なりますし、誰が保証するのかという点でも違いがあります。
ここでは、注文住宅に設けられる保証を「誰が保証するのか」という切り口から、大きく三つに分けました。
(1)工務店やハウスメーカーなど建築会社が独自に設けている保証 (2)設備メーカーや建材メーカーが設けている保証 (3)売主に課せられる保証
(1)は構造部を中心に住宅本体の工事に対しての保証で、(2)は建材や住宅設備などモノに対する保証です。また、(3)は瑕疵担保責任のように法律で定められている保証制度のこと。建売分譲住宅などでは不動産会社が責任を担いますが、注文住宅の場合は建築会社が担うのが通例です。
それぞれの保証内容や保証期間などについては、以下で詳しくご説明します。
注文住宅の保証の一つに、工務店やハウスメーカーなど家を建てる建築会社が独自に設けた保証制度があります。この保証のことを、「工事保証」「品質保証」と呼んでいる会社も多いようです。
保証対象は、建築会社によってさまざまですが、主に「基礎や土台」「柱や梁などの骨組み」「屋根や外壁の施工(雨漏り防止)」といった構造部で、工事に欠陥があった場合には修繕費用などを保証するというものが多いです。
あくまで工事内容に関する保証ですから、建材や設備の欠陥については保証されません。
たとえば、雨漏りの原因が施工時の不備だと認められたら建築会社の保証になりますが、屋根材や外壁材などの建材に原因があれば、建材メーカーに責任が問われることになります。
雨漏りは原因を特定するのが難しいトラブルの一つです。建築会社の独自保証については、具体的にどこまで保証されるのかを契約前に確認しておくことをおすすめします。
建築会社が独自に設けている保証は、その会社によって期間が異なります。10年のところもあれば、60年の長期保証も設けているところもあります。また、会社によっては「メンテナンスプラン」などの制度を設けて、保証期間が選べるケースもあります。
なお、建築会社独自の保証制度を設けていないところでも、この後に紹介する瑕疵担保責任が義務付けられています。新築物件には、構造部に対して10年間の保証が付いており、「独自保証がないから何かあっても対応してくれない」ということはありませんので、ご安心ください。
長期保証があれば、いつまでも安心して暮らせるというメリットがある一方で、10年目以降は有償メンテナンスを定期的に実施することが条件といった規定を設けているところもありますから、注意が必要です。
よくあるのが、引き渡しから10年後に建築会社が無償点検を行い、修繕などにかかる費用の見積もりを提示し、その修繕を行えば、以後10年間の保証延長ができる、というパターン。メンテナンスを断ったり、ほかのリフォーム会社に依頼したりすると、保証はなくなります。
つまり、将来必要になるリフォームも家を建てた会社に依頼することが前提となり、「リフォーム会社を自分で選べない」というデメリットも認識しておきましょう。
キッチンやユニットバス、エアコン、給湯器、換気設備など、注文住宅にはさまざまな設備が使われています。これらの設備が故障したときには、各メーカーが設けている保証内容に沿って対応することになります。
仮に、これらの設備を設置したのが建築会社であっても、施工の不備などが認められない限りは、設備メーカーや建材メーカー側の保証内容に準じることになります。
建物の引渡し時に各メーカーの保証書を渡されますから、大切に保管しておきましょう。
保証期間は、メーカーや設備・建材の商品によって異なります。以下の保証期間は一般的な内容ですから、保証書の内容を確認しておきましょう。
・システムキッチン…2年
・ユニットバス…2年
・洗面台、トイレ…1~2年
・給湯器…3年
・壁紙(クロス)…1~2年
・フローリング…2年
・ドア、サッシ…1~2年
・換気設備…1年
・屋根材、外壁材…5年
設備や建材に関する保証について、トラブルの原因がメーカー側にあるのか、それとも施工時の不備など建築会社にあるのかをめぐって、修繕対応までに時間を要すことがあります。
たとえば、「壁紙がはがれてきた」「フローリングの床鳴りが激しい」といったケースでは、素材に問題があるのか、施工不良が原因なのかを判断するのが難しく、誰が保証するかで揉めるケースもあるようです。
もっとも、こうしたケースでは多くの場合、建築会社に相談すれば無償で対応してくれることもありますし、修理費用がかかっても大きな金額になることは稀です。
とはいえ、修繕したものの改善されない場合だと、施工した建築会社に問題があるかもしれません。気になる場合は、有償でも他の建築会社やリフォーム会社に相談するのも一手でしょう。
瑕疵担保責任とは、売主に課せられるもので、住み始めてから住宅の構造部に欠陥が発見された場合に、売主がその修繕にかかる費用を保証するというものです。「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、品確法)」によって、すべての売主に義務付けられています。
なお、注文住宅の売主は建築会社ですから、建築会社に対して瑕疵担保責任があるといえます。
保証内容は、「基礎や土台」「柱や梁などの骨組み」「屋根や外壁の施工(雨漏り防止)」などの構造部で、建築会社が独自に設けている保証と似ています。たとえば、「家が傾いている」「築10年未満の家なのに、震度5弱以下の地震で大きな被害を受けた」といったトラブル時に、建築会社に瑕疵が認められたら無償で修繕してくれます。
先ほど紹介した建築会社独自の保証制度を設けていなくても、瑕疵担保責任は注文住宅などを提供するすべての建築会社に義務付けられています。建築会社独自の保証制度は、瑕疵担保責任の延長であったり、瑕疵担保責任には該当しない部分にも対応したりといった「オプション」という見方もできるでしょう。
保証期間は、大きく新築住宅か中古住宅かで異なります。
新築住宅は、品確法によって引き渡しから10年間と定められています。注文住宅は新築住宅ですから、雨漏りや構造部分の問題など大きな瑕疵が認められたら引き渡しから10年間は無償で対応してもらえることになります。
ちなみに中古住宅の場合、瑕疵担保責任は義務ではないため保証期間は定められていません。これは、売主が個人であることが多く、不動産会社などの法人は仲介という立場であるためです。中古住宅でも瑕疵担保をつけた物件もありますが、保証期間は数ヵ月から1年程度と短いケースが大半です。
建築会社に独自の保証制度がなくても、瑕疵担保責任によって最低10年は保証が担保されます(注文住宅など新築の場合)。
では、保証期間中に万が一、建築会社が倒産したらどうなるのでしょうか。こうしたケースでも、法律によって引き続き保証が受けられるような仕組が用意されています。この法律が、「住宅瑕疵担保履行法」というものです。
住宅瑕疵担保履行法とは、注文住宅をはじめ新築住宅を提供する建築会社に対して、住宅瑕疵担保責任保険の加入または保証金を供託することで、10年間の瑕疵担保責任を履行することを目的とした法律です。
建築会社には、万が一のときに備えて、国土交通大臣の指定する保険法人と契約するなど、資力確保措置を義務付けています。仮に、瑕疵担保責任が生じる期間内に建築会社が倒産しても、住宅瑕疵担保責任保険を使って住まいの修繕が無償で行える仕組があるのです。
補修費用は最高2,000万円まで保険法人から受けられます。なお、住宅瑕疵担保責任保険に加入するのは建築会社ですから、注文住宅を建てる方が保険料を支払うことはありません。
建築会社のなかには、工事費用の一部から保険料を支払っているところもありますが、その場合、契約時に説明があるはずです。不安な方は、建築会社に確認されることをおすすめします。
憧れのマイホームで、いつまでも安心して暮らすには、こうした保証がとても重要になってきます。それは住宅の品質保証であるというだけでなく、欠陥など万が一のトラブル時でも、最悪の状況から救ってくれる頼もしい存在でもあるのです。
また、建築会社独自の保証制度は、保証内容や保証期間も多種多様です。長期保証だから良いというわけでもありませんし、リフォームの選択肢を狭める可能性もあります。
契約前に保証内容もきちんと確認し、他社と比較することも大切でしょう。将来を見据えれば、こうした保証の観点から家づくりのパートナーを選ぶのも一つの方法といえるでしょう。
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