家を買うなら知っておこう!建ぺい率と容積率

投稿日:2021年04月27日

不動産広告でよく見かける、土地の「建ぺい率」と「容積率」。

意味は何となく知ってはいるけど、何のためにあるのかわからないと思っている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

 

建ぺい率や容積率は、家づくりをされる方にとって大切な数値であることはもちろん、みんなが住みやすい街づくりを進める上でも重要な指標でもあるのです。

土地を購入される方なら、これだけは知っておきたい建ぺい率と容積率の基礎知識を解説します。

 

 

建ぺい率と容積率ってなんのこと?

建ぺい率・容積率とは、簡単にいうと「その土地に建てられる建物のサイズを決める指標」のことです。

建物が建てられるすべての土地には、建ぺい率と容積率が決まっています。

 

それぞれについて説明すると、建ぺい率は「敷地面積(土地の面積)に対して建築できる建物の面積の割合」のこと。

容積率は「敷地面積に対して、建築できる建物の延床面積の割合」のことを指します。

 

これらの指標は法令で定められた建築制限ですから、家を建てるときはそれぞれの上限を満たさなければなりません。

上限を超えるサイズの家を建てると違反建築物になりますので、あらかじめ把握しておく必要があります。

 

なぜ建ぺい率と容積率が決まっている?

建ぺい率と容積率は、家づくりだけでなく街づくりにも深く関係しています。

 

もしもこれらの指標がなかったら、隣地や接道部分のギリギリのところまで建物を建てたり、住宅地でも高層ビルを建てたりする人も出てくるでしょう。

そうなると、日当たりや風通しなどが悪い「住みにくい環境」の街になってしまいます。

 

建ぺい率や容積率は、誰もが住みやすい街づくりをするうえでも重要な指標であり、街並みをそろえるために必要な規制でもあるのです。

 

 

建ぺい率と容積率は「用途地域」で決まっている

土地の建ぺい率と容積率を決めるのは、自治体です。各市区町村が定める都市計画にもとづいて、それぞれの土地の建ぺい率と容積率を決めています。

 

厳密にいうと、その地域に建てられる建物を規制する「用途地域」というエリア分けによって、建ぺい率と容積率がほぼ決まります。

用途地域ごとに建ぺい率と容積率があらかじめ決まっているのです。

 

用途地域は全部で13種類あります。一般的な住宅地として多いのが、「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」です。

駅や幹線道路から少し離れた閑静な住宅街に多く、建ぺい率は「30・40・50・60」、容積率は「50・60・80・100・150・200」のいずれかです。

低層住居専用の地域なので、いずれの上限も厳しく規制されています。

 

マンションや学校、図書館なども建てられる「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」だと、建ぺい率は「30・40・50・60」、容積率は「100・150・200・300」。

建ぺい率は厳しいですが、容積率は低層住居専用地域より緩和され、背の高い建物も建てられます。

 

なお、用途地域は自治体の窓口で閲覧できるほか、インターネットで公開しているところもあります。

 

 

建ぺい率・容積率の計算方法

建ぺい率と容積率の求め方を、それぞれ説明しましょう。

 

建ぺい率の求め方

建ぺい率は、以下の公式で求められます。

・建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100

一例として、100m2の土地の建ぺい率が50%とすれば、建築できる建物面積は50m2までということになります。

 

ここでいう建物面積とは、「真上から建物を見下ろしたときの広さ(水平投影面積)」を指すのが、知っておきたいポイントです。

一般的には、1階の面積を建築面積として捉えますが、1階よりも2階の方が広い建物だと2階の面積を建築面積とすることがあります。

ひさしやバルコニーが外壁から大きくはみ出た建物などは、それらを含めた面積が建築面積になるのです。

 

ただし、ひさしやバルコニーの突き出た部分が外壁から1m以内の場合は、建築面積に含まれません。

また、突き出た部分が1m以上あっても建築面積に含めるのは1m後退したところまでとなります。

 

容積率の求め方

続いて、容積率を求める公式です。

・容積率=延床面積÷敷地面積×100

 

たとえば、100m2の土地の容積率が100%とすれば、建築できる建物の延床面積は100m2までとなります。

容積率は、建物のフロア数に関係する指標です。階数の多い建物ほど延床面積は広くなりますから、3階建ての家を検討されている方は注意が必要です。

 

 

建ぺい率と容積率以外にも存在する建築制限

土地ごとに定められた建築制限は、建ぺい率と容積率だけではありません。

さまざまな規制があり、そのなかには建ぺい率や容積率よりも優先しなければならないルールもあります。

土地探しをするときは、以下の制限についても確認しましょう。

 

前面道路制限

容積率の上限を抑える制限です。接道している道路の幅が12m未満の場合、その幅に一定の数値(0.4、0.6など)をかけた数字を容積率の上限とするものです。

 

たとえば、道路幅が4m、数値が0.4とした場合、4m×0.4=1.6(=160%)が容積率として適用されます。

用途地域では200%でも、その土地に関しては160%に制限されるので注意しましょう。

 

絶対高さ制限

建物の高さを制限するルールです。日当たりや風通しの確保、地域環境を維持することなどを目的に定めています。

 

たとえば、用途地域で紹介した「第一種低層住居専用地域」では、高さの上限を10mまたは12mに制限されています。

これ以上の高さがある建物は、たとえ容積率の範囲内であっても違反建築物となりますから注意が必要です。

 

このほか、都市計画法によって「高度地区」に指定されているところにも高さ制限があります。

 

斜線制限(道路斜線制限・北側斜線制限など)

こちらも、日あたりなどの確保を目的とした建物の高さ制限です。

 

「道路斜線制限」は、接道する道路の日あたりや通風を確保するための制限です。

前面道路の反対側の境界線から敷地に向かって一定の勾配で斜線を引き、その斜線の外側に建物の屋根などがはみ出さないよう、高さを低くしたり、屋根に斜めの欠けを設けたりする必要があります。

 

これと同じ理論で、北側にある隣地の日あたりを確保する「北側斜線制限」もあります。

 

日影規制

こちらも、近隣の日あたりを確保するための高さ制限です。

冬至の日を基準にして、隣地が一定時間以上の日影が生じないよう、高さが制限されます。

 

 

建ぺい率・容積率に関する注意点

建ぺい率や容積率は、法令で定められた建築制限です。上限を超える建物は違反建築物ですから、住宅ローンの審査が通らず利用できないなどのデメリットがあります。

 

また、上限ギリギリで建てた家は、将来増築のリフォームができないことになります。「家族が増えたから増築したい」「趣味の空間として離れの建物をつくりたい」といった要望も、建ぺい率や容積率の上限を超えるため叶えられません。

 

法令を守ることはもちろんですが、将来のリフォームを見据えて建ぺい率や容積率に少しゆとりを持たせて計画を立てることもポイントでしょう。

 

 

建ぺい率・容積率を守って広い家を建てるには?

建ぺい率や容積率は、制限ばかりでなく緩和措置もあります。

この措置を上手に活用することによって、広々とした居住空間を手に入れることも可能です。緩和措置の例をいくつか紹介しましょう。

 

防火地域内に耐火建築物を建てる

都市計画で「防火地域」「準防火地域」に指定された土地に、耐火建築物の家を建てる場合、建ぺい率が10%緩和されます。

建ぺい率が60%の土地なら70%まで、80%の土地なら90%まで建築面積を広げることが可能です。

 

また、建物を建てる際には隣地から50cm離す必要がありますが、防火地域内の耐火建築物であればこの制限も緩和できます。

ただし、近隣トラブルにならないよう隣地の所有者から同意を得ることも忘れないようにしましょう。

 

角地にある土地

2つの道路に挟まれた角地も、建ぺい率が10%緩和される土地があります。

どの角地でも緩和されるわけではなく、「敷地外周の3分の1以上が道路に接している」「角度120度以下である」など、自治体ごとに条件が規定されています。

 

ロフト

容積率の緩和措置で、もっともポピュラーなのがロフトです。高さ1.4m以下、フロアの床面積の2分の1までのサイズであれば床面積に含まれません。

 

たとえば、床面積が40m2の2階にロフトを設ける場合、高さが1.4m以下、床面積が20m2以下のロフトなら、容積率を気にせず設置できます。

 

地下室

地下室も、延床面積の3分の1以下の広さであれば容積率の緩和措置が受けられます。

 

たとえば、敷地面積150m2、容積率100%の土地には、延床面積150m2までの家しか建てられませんが、延床面積の3分の1にあたる50㎡の地下室を設けることで、実際には200m2の空間まで広げることが可能です。

 

ビルトインガレージ

建物の1階部分に車庫を設けたビルトインガレージも、延床面積の5分の1までの広さなら緩和措置が受けられます。

最近は、ビルトインガレージを生活空間の一部として活用する方も増えていますから、ゆとりある空間利用に検討してはいかがでしょうか。

 

ベランダ・バルコニー

ベランダやバルコニーは、幅2mまでの部分は床面積に算入しません。

洗濯物を干す場として活用されることが多いベランダやバルコニーですが、第2のリビングとして利用される方もいます。

リビングの延長に設けることで、広がりを感じる生活空間を演出できるでしょう。

 

 

まとめ

建ぺい率が大きいと、それだけ建てられる家の建物面積を広くできますが、土地によっては隣接地との間隔が狭くなり圧迫感が気になることもあります。

また容積率が大きいと、3階建てなどの家が建てられますが、土地によっては周りにもっと高い建物があり日当たりや通風に問題が生じることもあるでしょう。

数値の大きい土地が、必ずしも「よい土地」とはいえないのです。

 

古くからある住宅街や、人気のある新興住宅地では、「建ぺい率40%、容積率80%」と厳しい制限がされているところもあります。

それは、人々が暮らしやすい街をつくるために必要な制限だったからです。

 

建ぺい率や容積率は、その街がどんなところかを表す指標でもあります。自分たちが求める環境があるかを知るうえでも役立ちますから、土地探しの際に参考にしてみましょう。

 

ご閲覧ありがとうございます。
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2021年4月27日 投稿|     
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