投稿日:2023年08月07日
設計を考える際に難しいポイントの一つとして、天井の高さが挙げられます。
平面図や断面図などでは実際の高さを想像しにくいですよね。
今回は、天井高について最適な高さをご説明します。
さらに、天井の高さを高くすると違和感がある和室の高さの決め方に関してもご紹介します。
天井高とは、床の表面から天井までの高さのことを指します。
建築基準法では、LDKや子供部屋、寝室など長い時間過ごす部屋の天井は2.1メートル以上と決められています。
ただ、トイレや浴室、廊下など長い時間使わない部屋は特に決まりがありません。
2.1メートルは背が高い人なら天井に手が届きそうな高さで、圧迫感のある高さです。
そのため、天井高の最低限度ギリギリの高さの家は実際には多くありません。
最近では、2.4メートルの一戸建てが増えています。
2.4メートルから2.6メートルの天井高の家が一般的です。
天井を高くする際には注意点があります。
設計に関しては、数十センチメートル上げるだけで大きく印象が変わる点です。
天井高を上げすぎると、想像と違う雰囲気になることもあるため、注意しましょう。
また、建物全体の高さが高いと斜線制限に引っかかる可能性が高くなります。
斜線制限とは、隣り合う敷地境界や道路の幅などの兼ね合いで建物の高さを制限するものです。
上限があることも意識して、天井高を決めましょう。
天井が低いと圧迫感があるため、天井は高めにしようと検討している方はいませんか。
天井が高いと、広々とした空間を実現できます。
さらに天井を高くしておけば、高い位置に窓を設けられて日当たりや風通しも良い家になるのです。
しかし、天井を高くする際には、天井高は高ければ高いほど良いとは限らないことには注意しておきましょう。
天井を高くする際のデメリットをご紹介します。
部屋の横幅や奥行きが狭い部屋は天井を高くすると、かえって狭さが際立って、部屋が小さく見えてしまいます。
縦横のバランスを考えて天井高を決めることが大切です。
また、天井が高い家では、生活音が響いて残響音が気になる可能性があります。
カーテンやカーペットを敷くことで対策できますが、解決はしないため、天井を高くする場合には音が響くことに留意しておきましょう。
天井高が低い部屋には、高級感やリラックスできる環境をもたらす魅力があります。
例えば、老舗の旅館を想像してみてください。
旅館は手を伸ばせば届くほどの天井高であることが多いのですが、過ごしていて圧迫されているようには感じず、リラックスできます。
また、天井が低いとエアコンが使いやすかったり、掃除がしやすかったりという実用面でもメリットがあるため、天井は必ずしも高いほうが良いとは限らないのです。
天井は高くしても低くしても、それぞれメリットとデメリットがあります。
両方の魅力を生かして空間にメリハリをつけると良いです。
低い天井も良い点があるとはいっても、やはり家全体が低い天井では圧迫感をもたらしてしまいます。
また、家全体の天井の高さを高くしても、空間が間延びしてしまい落ち着かない空間になります。
押さえておきたいポイントとしては、落ち着く空間にしたい部屋は低い天井で、開放感がほしい部屋は高い天井にすることです。
高い天井と低い天井の両方を上手く使い分けて場所ごとの役割に合った天井高にしましょう。
落ち着く空間に仕上げたい方の多い和室の天井高は、どの程度の高さが良いのかご紹介します。
和室では基本的には床に座って過ごすでしょう。
そのため、天井は低く抑えても問題ありません。
座った時の目線の高さは90センチメートルほどのため、4.5畳くらいの広さであれば天井高は2メートルあれば十分だと考えられます。
しかし、先ほど建築基準法で長い時間を過ごす部屋、つまり居室の天井高は2.1メートル以上必要だということをご紹介しました。
近年では、リビングの一角に設ける畳コーナーや小上がり和室が人気です。
この場合の和室は1つの居室としてではなく、リビングの一部として考えられます。
リビングの一部として和室を考える場合は、リビングと和室の天井高のバランスを考慮しましょう。
小上がり和室の段差を40センチメートルほどにして、リビングの天井高を2.4メートルにすると、和室の天井高を2メートルにできますね。
今回は、天井高の最適な高さや天井高を決める際のポイント、そして和室のおすすめの天井高をご紹介しました。
天井は高くても低くても魅力があるため、両方を使い分けてメリハリのある家に仕上げるのがよいでしょう。
和室は他の部屋とのバランスを考えながら、天井の高さが2メートルほどの空間に仕上げるのがおすすめです。
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