投稿日:2019年04月08日
家を建てる際は、ほとんどの人が住宅ローンを利用して資金を用意します。まとまった費用が必要ですし、住宅ローンを利用すると「住宅ローン控除」を始め、さまざまなメリットが得られるためです。
住宅ローンは「借りたい」といってすぐに借りられるわけではありません。審査や申し込み、契約などさまざまな手順があり、それらを順序よく進めていかなければなりません。
住宅ローンを借りる際は家づくりと並行して手続きを進めるため、流れが若干複雑になります。全体の流れをおさらいし、融資実行までのイメージを掴んでおきましょう。
住宅ローン審査の流れは、物件購入の進行と融資の進み具合という、2つの側面から見ていく必要があります。
家は一生のうちで一度あるかないかという大きな買い物なので、ある程度情報を集めて納得できる物件を探しましょう。住みたいエリアや建物に対する条件を書きだし、それらに優先順位をつけて物件選びの基準にします。
ここにどれだけ時間をかけるかはその人次第で、1年以上費やす人もいれば3ヵ月程度で納得のいく物件が見つかる人もいます。
気に入った物件を見つけたら問い合わせをして物件を見学し、候補を絞り込みましょう。優先順位を意識することで、自分に合った物件が見えてきます。
提供する金融機関によって、住宅ローンの内容も実にさまざまです。つい金利ばかりに目が行ってしまいがちですが、金利だけでなく手数料や保証料、繰り上げ返済手数料など、各種条件をしっかりと確認して選びましょう。3つ程度に候補を絞ったら、自分が借りようとしている金額を予定の期間で借り入れた場合、毎月の返済額と返済総額がどの程度になるのかというシミュレーションをして決定します。
物件が決まるまでに決まっていればよいので、じっくり比較して選んでください。なんの情報収集もしていないと、焦って契約できるところを探すことになるため自分に合った住宅ローンが見つけにくくなります。
迷ったら不動産会社に相談するとよいでしょう。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ担当者が、ライフプランと合わせてローンの組み方に関するアドバイスをくれることもありますし、提携する金融機関を紹介してくれることもあります。提携ローンなら、金利の引き下げなどの優遇措置を受けられる可能性もあります。
事前審査で確認されるのは、主に契約者の返済能力です。年収や資産をチェックし、借入希望額や返済期間に対して十分な返済能力があるか確認されます。
審査に通過するためには、年収に対して年間返済額が占める割合(返済負担率)が重要です。自動車ローンやカードローンといったその他の借り入れがあると、返済負担率を計算する際の年間返済額にその返済金もプラスされるので、審査結果に影響することがあります。
詳しい内容は別記事で解説しておりますので、そちらをご覧ください。
> 住宅ローンの事前審査と本審査は何が違う? それぞれの違いを分かりやすく解説!
本審査では、物件の担保価値や本人の健康状態までチェックされます。 住宅ローンでは通常、団体信用生命保険(団信:契約者が返済期間中に亡くなった場合、残りの返済が免除される保険制度)の加入が義務付けられており、団信に加入できる健康状態であることが借り入れの条件となるためです。
事前審査では告知のみを求められ、本審査ではじめて実際の書類の提出を求められるというケースもよくあります。そのため、事前審査に通過していても、本審査に通過しないケースも珍しくありません。
本審査に関しても、別記事で詳しく解説しています。
> 住宅ローンの事前審査と本審査は何が違う? それぞれの違いを分かりやすく解説!
その人の返済能力によって、住宅ローンの借入可能額は変わってきます。 返済能力を判断される主な基準は、総借入額と年収に対する年間返済額(返済負担率)です。 まずは大まかな借入可能額がいくらになるか知っておき、物件選びの基準にしましょう。
総借入額は年収の7~8倍までが限度といわれており、返済負担率は30~40%までに設定されています。総借入額や返済負担率の計算には、住宅ローンだけでなくマイカーローンなどその他の借り入れも含まれるという点に注意しましょう。
細かな数字は金融機関によって異なり、返済負担率の基準を公表しているところはあまり多くありません。しかし、住宅金融支援機構のフラット35は、基準を公表しています。2020年10月以降、基準が下記のように変更されました。
年収 | 300万円未満 | 300万円以上 400万円未満 |
400万円以上 700万円未満 |
700万円以上 |
---|---|---|---|---|
返済負担率の基準 | 25% | 30% | 35% | 40% |
↓
年収 | 400万円未満 | 400万円以上 |
---|---|---|
返済負担率の基準 | 30% | 35% |
つまり年収500万円の人の場合、フラット35なら返済負担率35%まで借り入れが可能です。 年間返済額が175万円まで借りられるということです。ボーナス返済なしであれば、毎月返済額は14万5千円程度になります。
毎月14万5千円返済を基準に、金利2%で35年元利均等返済の住宅ローンを組むと考えると、借入可能額は4377万円となります。ほかのローンを借り入れている場合は、毎月返済額からその金額を引いて計算しましょう。
ただし、銀行からの借入可能額と実際に無理なく返済できる金額は異なります。 返済可能額ぎりぎりまで借りてしまうと、返済に追われる人生になるかもしれません。ライフプラン(収入や支出、進学などのライフイベントを踏まえたお金の計画表)をもとに、自分に合った借入額を判断してください。
住宅ローンは金融機関から「事前審査」「本審査」の2段階で返済能力を審査されます。 気に入った物件が見つかれば、購入申し込みのタイミングで金融機関に事前審査を申し込みましょう。
住宅ローンは購入する住宅を担保として設定するため、長期間にわたって低金利で利用できる融資制度です。そのため、融資の実行は住宅の引渡しが終わってからになります。しかし、住宅は売買契約を終えて引渡しとなるので、その時点で融資審査に通らず住宅ローンが借りられないとなると大変です。
そのリスクを軽減するため、本審査の前に事前審査が用意されています。事前審査では提出が義務付けられていない書類もありますが、正直に申告してください。虚偽の内容で申告して事前審査に通過しても、本審査を通過できませんし、万が一通過して借り入れできても、詐欺罪に問われる可能性があります。
事前審査を通過後、キャンセルしてもキャンセル料はかかりません。複数社に事前審査を申し込み、一件を残してキャンセルすることもできますし、一件だけ事前審査を受け、キャンセルした場合もキャンセル料は不要です。
> 住宅ローンの事前審査と本審査は何が違う? それぞれの違いを分かりやすく解説!
事前審査を通過しても本審査で落ちる可能性があるため、契約時に「万が一審査に通過しなかった場合は契約を白紙に戻す」という特約条項が盛り込まれていることが大切です。事前審査の結果は、申込から1週間程度で通知される金融機関が多いようです。
購入申し込みの際は宅地建物取引士から重要事項説明を受け、契約内容に納得すれば売買契約を締結しましょう。万が一住宅ローンの本審査に落ちた場合の白紙条項が盛り込まれていることを確認してください。
売買契約を締結したら、いよいよ住宅ローンの本申込みです。それと同時に本審査を申し込みます。本審査では、通常だと申し込みから2~3週間程度で結果が通知されます。ネット銀行だと比較的審査のスピードが早いといわれています。
本人の年収から割り出される返済可能性だけでなく、物件の担保価値や建築基準法の基準をクリアしているか、勤続年数や勤務先の会社は安定しているかなども含めてチェックされます。
本審査では印鑑証明書や住民票の写しなど、多くの書類を提出しなければなりません。年収などの状況によっては、プラスで預金通帳の残高証明などの書類提出を求められる可能性もあります。
> 住宅ローンの事前審査と本審査は何が違う? それぞれの違いを分かりやすく解説!
審査に通過したらローンの契約(金銭消費貸借契約)をし、購入する物件は担保となるため、司法書士に依頼して抵当権を設定してもらいましょう。この抵当権設定契約も、ローンの契約と同時に締結します。
住宅ローンの申込では基本的に団体信用生命保険や火災保険の加入が義務付けられているため、それらの加入申し込みも済ませます。
本審査に通過したあとも住宅ローン契約を締結する前ならキャンセル料はかかりませんが、契約後になるとキャンセルしたくてもできない可能性があることを知っておきましょう。契約後であっても、融資実行(借入金の振込)前であればキャンセル可能なケースが多いようです。
契約後になると万が一キャンセルできたとしても、融資の取り扱い手数料や調査費、印紙代などがかかります。周囲に多大な迷惑がかかりますし、自己都合でキャンセルした場合は、手付金(物件価格の5~10%相当が相場)は返してもらえません。
しっかりと検討した上で契約を締結しましょう。
住宅引渡し時に融資を実行(実際に金融機関からお金が貸し出されること、借入金の振込)して、住宅代金の残金を清算します。
住宅ローンの金利は契約時ではなく融資実行のときのものが適用されるので、金利の動向にも注意しておきましょう。
入居の翌年には確定申告で、住宅ローン控除の手続きを行います。住宅ローン控除は、年末のローン残高のうち1%にあたる税金が所得税(一部住民税からも)控除される制度です(年間控除上限通常は40万円、各種適用条件あり)。
初年度はサラリーマンの方も、必ず確定申告を行わなければなりません。確定申告の期間は例年2~3月中旬が一般的です。土日祝日との関係などによって期間が異なることがあるため、事前にその年の期限を確認しておき、余裕を持って申告に行きましょう。2年目以降は職場の年末調整でも手続きが可能です。
また、すまい給付金の申請も忘れずに済ませておきましょう。申請期限は基本的に、住宅の引渡しから1年以内です。
それぞれの手続きで書類を揃える必要があるので、住宅取得に関する書類は一か所にまとめておくことをおすすめします。
住宅ローンの申込からローン実行、入居後に必要な手続きなどをご紹介しました。家づくりとローンの申し込みは同時に進行していきます。安心して家づくりが進められるよう、ある程度、流れを掴んでおきましょう。
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