投稿日:2021年08月26日
家を取得するに当たり、いざ住宅ローンを組む際、「住宅ローンっていろいろあるけど、どうやって選べば良いの?」と立ち止まってしまう方も多いです。
住宅ローンには、複数の金利タイプや借入先があるだけでなく、借り入れ方法なども分かれています。
選択肢が多いと、迷ってしまうもの。
今回は、住宅ローンを借りる方に向けて、知っておきたい金利タイプや借入先、借り入れ方法について紹介します。
専門用語を用いずにわかりやすく解説していくので、住宅ローン選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
住宅ローンの金利タイプには主に、全期間固定型と変動金利型と固定期間選択型があります。
この3種類が主軸となるため、どの金利タイプが良いのかを選んでいきましょう。
特に、どの金利タイプが良くてどの金利タイプが悪いということはないため、それぞれの特徴とメリット・デメリットを把握して決めていくことが大切です。
特徴 |
金利が全期間にわたって固定される金利タイプ |
メリット |
金利の変動に影響されにくい |
デメリット |
金利がやや高めに設定されている |
全期間固定型は金利が全期間にわたって固定されたタイプです。
金利が変動しないため、月々の返済を安定させたい方におすすめです。
ずっと同じ金利が適用されるため、計算が苦手な方にも最適な金利タイプといえるでしょう。
メリットとしては、金利の変動に影響されにくいことが挙げられます。
全期間固定型は金利が固定されているため、金利が変動しても影響をほとんど受けません。
そのため、金利の変動によって右往左往することもありません。
安定志向の方に向いているでしょう。
デメリットとしては、金利がやや高めに設定されていることが挙げられます。
全期間固定型は金利の影響を受けないものの、金利自体は高く設定されているのです。
そのため、返済総額がどうしてもほかの金利に比べて高くなってしまいます。
今後も安定した収入が確保できる場合は良いですが、万が一のことを考えると返済総額は抑えておきたいところです。
そういった意味では手放しで全期間固定型が良いともいえません。
特徴 |
金利が経済情勢によって変動する金利タイプ |
メリット |
金利がやや低めに設定されている |
デメリット |
金利が変動に影響されやすい |
変動金利型は金利が経済情勢によって変動する金利タイプです。
金利が固定されていないため、月々の返済が定期的に変わっても良い方におすすめです。
これらは5年ごとに見直されるため、計算が得意な方に合っている金利タイプといえます。
メリットとしては金利がやや低めに設定されていることが挙げられます。
変動金利型は金利の影響を受けるからこそ、もともとの金利自体が安く設定されているのです。
そのため、返済総額も連動して低くなる可能性があります。
今後も安定した収入が確保できる場合はもちろん安定していない方でも返済しやすいのは、単純な魅力となるでしょう
デメリットとしては金利の変動に影響されやすいことが挙げられます。
これは5年ごとに変動し、金利が変動すればするほど、その影響は大きくなります。
安定志向の方には向いていないタイプといえます。
特徴 |
固定金利と変動金利を組み合わせた金利タイプ |
メリット |
固定金利と変動金利の魅力を両方活かせる |
デメリット |
金利のリスクがまったくないわけではない |
固定金利変動型は固定金利と変動金利を組み合わせた金利タイプです。
ある意味では固定金利と変動金利の良いところだけを抽出して活用できます。
しかし、逆に両者の悪いところも影響を受けてしまいます。
メリットとしては固定金利と変動金利の魅力を両方、活かせることにあります。
たとえば、一定期間は固定金利で着実に返済総額を減らしたり、その後は変動金利で月々の返済を軽減できたりします。
うまく活用すれば両者の美味しい部分だけを活かせるため、そういった意味ではギャンブルの要素も含んでいるのが固定期間選択型といえるでしょう。
デメリットは、金利のリスクがまったくないわけではない点です。
固定期間選択型は一定期間だけ固定金利で、その後に変動金利にシフトしていきます。
そのため、金利のリスクを避けつつ返済計画が立てられるのです。
しかし、金利が上がれば状況は一変します。
月々の返済は増え、返済総額も増える可能性があるからです。
住宅ローンの借入先には主に民間ローンとフラット35と財形住宅融資などがあります。
この3種類が主な借入先となり、多くの方は民間ローンもしくはフラット35で契約することが多いです。
ただし、財形住宅融資にも魅力がないわけではありません。
ここからはそれぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。
特徴 |
金融機関と契約する借入先 |
メリット |
選択肢が多い |
デメリット |
審査がある |
民間ローンは、銀行などの金融機関と契約する借入先となります。
それぞれの金融機関が提供する住宅ローンを組むことになるため、借入先によって条件は大きく異なります。
ただし、その分、選択肢が多いこともあり、自分に合った借入先を選びやすいです。
その一方で、金融機関の民間ローンには審査があります。
住宅ローンは誰にでも融資しているわけではなく、適正と判断された人のみ融資を受けられるようになっています。
つまり、審査に落ちれば、その金融機関とは契約できません。
特徴 |
金融機関と住宅金融支援機構と契約する借入先 |
メリット |
保証料がかからない |
デメリット |
選択肢が少ない |
フラット35は金融機関と住宅金融支援機構と契約する借入先です。
金融機関はもちろん住宅金融支援機構が提供する住宅ローンを組むことになるので、借入先ごとに条件も違います。
その一方で、保証料などがかからないところが魅力となるため、初期の経済的負担を極力抑えたい方におすすめです。
しかし、逆に選択肢は少ないです。
フラット35で契約する場合は自分で選ぶということも難しいです。
より多くの選択肢から自分に合ったものを選びたいということなら、ほかの借入先を探した方が良いでしょう。
特徴 |
住宅金融支援機構と契約する借入先 |
メリット |
手数料がかからない |
デメリット |
条件がある |
財形住宅融資は住宅金融支援機構と契約する借入先となるのが特徴です。
手数料がかからないだけではなく保証料もかからないため、何かと初期の経済的負担を減らしたいという方に最適です。
もし活用できる場合は、積極的に選びたい借入先の一つといえるでしょう。
しかし、財形住宅融資は条件があります。
財形貯蓄を1年以上継続かつ申込日前2年以内に財形貯蓄の預け入れを行い、申込日時点の貯蓄残高が50万円以上あることが条件となります。
この条件を満たさない限りは契約できないため、選択肢が限られる借入先といえるかもしれません。
住宅ローンの借り入れ方法には主に、ペアローンや連帯債務、連帯保証などがあります。
それぞれ条件にも差があります。
ここからは借り入れ方法ごとの特徴とメリット・デメリットを説明するので、こちらも事前に確認しておきましょう。
特徴 |
夫婦や親子など、ペアで契約する借り入れ方法 |
メリット |
2人分の控除が受けられる |
デメリット |
諸費用も2人分がかかる |
ペアローンはペアごとに個別に契約する借り入れ方法です。
夫婦で契約すれば、それぞれが住宅ローン控除を受けられます。
当然ながら、夫婦の片方のみで住宅ローンを組むより、両方で組んだ方が控除を最大限に活用できます。
共働き家庭が多い時代だからこそ、夫婦それぞれが住宅ローンを組むというのがリスク分散になるといえるでしょう。
ただし、それぞれが個別に契約するため、諸費用も2人分かかります。
まずは住宅ローンの控除と諸費用を比較検討してみて、どちらの方がお得なのかを試算してみてください。
特徴 |
契約者と連帯債務者で契約する借り入れ方法 |
メリット |
連帯債務者も控除を受けられる |
デメリット |
取り扱い金融機関が少ない |
連帯債務は契約者と連帯債務者で契約する借り入れ方法です。
ペアローンではそれぞれが住宅ローン控除を受けられたのですが、実は連帯債務者も住宅ローン控除を受けられます。
そのため、控除に関していえば、連帯債務も控除の恩恵は大きいです。
ただし、連帯債務は取り扱っている金融機関が多くありません。
そのため、いざ契約したいと思っても金融機関によっては断られることもあり、そもそも用意していない場合もあります。
そのため、連帯債務を活用したい場合は、取り扱い金融機関を探さなくてはなりません。
特徴 |
契約者と連帯保証人で契約する借り入れ方法 |
メリット |
連帯保証人によって借入額を増やせる |
デメリット |
取り扱い金融機関ごとに制約がある |
連帯保証はよく耳にする借り入れ方法ではないでしょうか。
これは契約者と連帯保証人で契約する借り入れ方法となります。
連帯保証人が付くのが特徴で、その分だけ借入額を増やせる可能性があります。
特に、より多くの住宅ローンを借りる予定の方は、連帯保証が向いているかもしれません。
なお、連帯保証は取り扱い金融機関ごとに制約もあります。
たとえば、連帯保証人はあくまでも契約者と同じ立場ではないため、控除が受けられません。
さらに、団体信用生命保険などへも加入できないため、注意が必要となります。
住宅ローンをどう選ぶかは契約する本人次第です。
しかし、金利タイプだけでも全期間固定型や変動金利型、固定期間選択型などがあります。
また、借入先も民間ローンとフラット35と財形住宅融資があります。
そのほか、借り入れ方法もペアローンのほかに連帯債務や連帯保証があります。
これらはそれぞれ特徴もメリットもデメリットも異なるため、よく吟味して選ぶようにしましょう。
もしわからないことがある場合は、専門家への相談も検討してみてください。
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