住宅ローンの事前審査と本審査の違いをわかりやすく解説

投稿日:2020年12月07日

住宅ローンを利用したいと思ったら、「家を買うからお金を貸して欲しい」と金融機関に相談に行くことになります。金融機関は誰にでもお金を貸してくれるわけではなく、返してくれそうな人だけを選んでお金を貸してくれます。

「この人は返してくれそうだから貸そう」「この人は返せなさそうだから貸せないな」といったことを見極める手続きを「審査」といいます。審査には「事前審査」と「本審査」の2種類があります。

では、事前審査と本審査の違いはどのようなものでしょうか?本記事でわかりやすくご紹介していきます。

 

□住宅ローンを借りる流れ

住宅ローンは物件購入の進行段階に合わせ、審査を申し込みます。審査には「事前審査」「本審査」の2段階があり、それぞれに通過してはじめて融資の契約が可能になります。

 

*1.情報収集

物件の情報を集め、購入したい物件のイメージを固めます。同時に各金融機関について、住宅ローンの情報を集めましょう。金利だけでなく保証料や事務手数料、繰り上げ返済の自由度や手数料などの条件も大切です。

 

*2.問い合わせ・物件の見学

興味のある物件に問い合わせを入れ、現地を見学します。

 

*3.購入候補の絞り込み

いくつかの購入候補の中から、条件に合った物件に絞り込みましょう。

 

*4.購入申し込み

物件が決まったら購入を申し込み、住宅ローンの事前審査も申し込みます。

 

*5.売買契約・融資の本申込み

事前審査に通過したら、重要事項説明を受けて売買契約を締結します。住宅ローンの本申込みをし、本審査を受けます。

 

*6.ローンの契約・引渡し

本審査に通過したら、ローンの契約(金銭消費貸借契約)を締結します。融資が実行されて(融資金額が振り込まれて)住宅の残代金の清算が済めば、住宅の引渡しとなります。司法書士に依頼し、所有権保存登記や所有権移転登記、抵当権設定などの不動産登記も済ませましょう。

 

*7.住宅ローン控除・すまい給付金の申請

住宅ローンを利用して住宅を購入した人は、一定の要件に当てはまると住宅ローン控除(年末ローン残高の1%を所得税や一部住民税から控除できる優遇制度。

年間上限額は原則40万円)の対象となります。

入居翌年の確定申告期間中に、税務署で住宅ローン控除の申請手続きを行いましょう。2年目以降は職場の年末調整でも手続きできますが、初年度は必ず確定申告で手続きを済ませましょう。

また、すまい給付金(住宅取得時の消費増税の負担を軽減するため、所得に応じて一定金額の給付を受けられる制度)の申請は原則として入居後1年以内です(2020年11月現在、無期限で期間延長中)。対象の方は忘れずに申請して給付金を受け取りましょう。

 

□事前審査と本審査は何が違うのか?

事前審査とは、本審査に通過する可能性を事前に知るための手続きです。

「住宅ローンを借りる」ための本審査とは違い、実は絶対に必要な手順ではありません。

ご紹介した住宅ローンを借り入れる際の流れのように、融資の本審査は売買契約を締結してから申し込みます。この段階で「融資審査に通らなかったのでキャンセルしたい」ということになると、不動産会社や売主、金融機関などさまざまな人に迷惑がかかります。もちろん、本人にとっても負担が大きくなります。

そのため、売買契約を締結する前に本審査に通過する可能性を確かめる「事前審査」という制度が生まれました。住宅ローンを申し込む人は、ほぼ無条件で事前審査を受けることになります。

一方「本審査」は、実際に金融機関が融資をするかどうかの最終判断です。本審査に通過していなければ、ローン契約を締結できません。

ただし、事前審査に通過していても本審査に落ちるケースもあるため、売買契約では基本的に「融資が実行されなかった場合、契約を白紙に戻す」という特約条項をつけます。契約時には宅地建物取引士による重要事項説明があるので、その項目があることを確かめておきましょう。

 

□住宅ローンの事前審査(仮審査)

*事前審査(仮審査)とは?

住宅ローンの事前審査とは、売買契約後に融資が借りられず契約が白紙に戻るというリスクを減らすための制度です。

 

*事前審査(仮審査)で見られる内容(基準・審査項目)は?

事前審査では主に本人の返済能力がチェックされます。運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認資料に加え、源泉徴収票などで収入を確認されます。

 

*事前審査(仮審査)の審査期間は?

事前審査の結果は1週間程度で通知されます。インターネット銀行などの場合は審査のスピードが早く、3日程度で通知されることも珍しくありません。

 

*事前審査(仮審査)で準備しておく必要書類

事前審査では主に次のような書類の提出を求められます。購入予定の物件に関する簡単な資料の提出も求められます。

 

本人確認書類 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど
収入に関する資料 サラリーマン 源泉徴収票など
自営業者、経営者など 確定申告の写し(3年分)など
物件確認資料 パンフレット、チラシ、図面など

 

*事前審査(仮審査)で注意するポイント

事前審査でチェックする項目は金融機関によって若干異なりますが、ほとんどの金融機関でチェックされる「メジャーなチェック項目」はある程度、決まっています。

・完済時の年齢 ・借入時の年齢 ・年収 ・勤続年数 ・融資可能額 ・返済負担率 ・個人信用情報

たとえば、40歳の人が35年返済の住宅ローンを組むと、完済時の年齢は75歳です。その時点まで現役で働いて毎月返済できるのか、疑問を持たれます。

融資可能額(借り入れ可能額)は、年収に対する総借入額(マイカーローンや教育ローンなど、その他の借り入れも含む)の倍率と、年収に対する年間返済額(そのほかの借り入れも含む)の割合(返済負担率)から割り出されます。

年収に対して借入希望額が多い人や、そのほかの借り入れが多い人は要注意です。

また、もう一つ重要となる要素が「個人信用情報」です。

信販会社や銀行などの金融機関が共有閲覧できるデータベースで、これまでに組んだローンやクレジットカードの利用状況などが記録されており、延滞や滞納などの金融事故情報があれば併記されます。携帯電話料金の滞納なども記録されるので、注意してください。

3ヵ月以上の延滞があれば「異動」と記録され、この記録がある人は基本的に事前審査を通過できません。これらの金融事故情報は、5年程度で消去されます。自分の信用情報はCIC、KSC、JICCという3つの個人信用情報センターで閲覧できるので、心当たりのある人は記録を取り寄せて確認してみましょう。

 

□住宅ローンの本審査

*本審査とは?

本審査とは、金融機関が実際に融資可能かどうかを決める最終判断です。これに通過できなければ、融資を受けられません。

 

*本審査で見られる内容(基準・審査項目)は?

本審査では事前審査の内容確認に加えて、次のような項目をチェックされます。

・健康状態 ・物件の担保価値 ・連帯保証

住宅ローンを組む場合は多くの金融機関で、団体信用生命保険(団信:返済期間中に万が一契約者が亡くなった場合、残りの返済を免除する保険制度)への加入を義務付けています。遺された家族へ返済の負担をかけないための大切な制度です。

健康状態が悪いと団信に加入できず、住宅ローンを組めません。健康診断書や人間ドックの検査結果などを提出します。

また、購入する物件の担保価値もチェックされます。住宅ローンは対象物件を担保に入れることで、長期間低利子で借りられる融資制度です。万が一返済が滞っても、資産価値の高い物件なら売却できるので貸し倒れのリスクが低く、有利だと判断されます。ただ、再開発などよほどのプラス要素がない限り、基本的に担保価値は購入金額より低くなります。

配偶者などを連帯保証人として設定する場合、その人の返済能力も本審査で評価されます。連帯保証人がいれば融資金額がアップしますが、返済が滞った場合のリスクがあるため、慎重に検討しましょう。

 

*本審査の審査期間は?

本審査は事前審査より詳細に調べるため審査期間が長く、2週間から3週間程度で結果が通知されます。ただし審査基準ぎりぎりの人は、これより長引く場合もあるようです。結果は一般的に郵送で通知されますが、一部のネット銀行などではインターネット上で確認できるシステムも導入されています。

 

*本審査で準備しておく必要書類

本審査では、次のような書類の提出が求められます。事前審査に比べて必要な書類の種類が増えるので、しっかりと準備しましょう。

 

本人確認書類 ・運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど ・住民票 ・印鑑証明書
収入に関する資料 サラリーマン ・源泉徴収票、住民税決定通知書または課税証明書
個人事業主など ・確定申告の写し、申告所得税納税証明書、事業税納税証明書(各3年分)
法人代表者 ・法人の決算報告書、法人税納税証明書(各3年分)など
物件確認資料 ・パンフレット、チラシ、図面など ・売買契約書、重要事項説明書、工事請負契約書などの写し ・土地・建物の登記事項証明書 など

 

これら以外に、状況によって追加書類の提出を求められるケースもよくあります。たとえば、銀行預金の残高証明などです。

審査対象者が審査基準ぎりぎりの場合、担当者がほかのプラス要素を探してなんとか審査を通過させようとしてくれるため、そういった追加書類の提出が増える傾向にあります。現預金が多いと貸し倒れのリスクが低いと判断され、審査に有利に働くため、通帳の残高証明の提出が求められるわけです。

追加書類の提出を求められたら、速やかに準備して提出してください。

 

□まとめ

住宅ローンを借り入れるためには、金融機関による審査に通過しなければなりません。事前審査と本審査の2段階があるので、しっかりと書類の準備をして臨みましょう。

携帯電話料金の滞納やクレジットカードの支払い遅延などによって、信用情報に細かいキズがついている人は少なくありません。数日程度の遅延が1回だけなど、軽度のキズなら借り入れ可能なケースもあります。不安な人は信用情報を取り寄せて確認し、金融機関に相談してみましょう。

 

 

ご閲覧ありがとうございます。
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